私は普段、特定のアーティストを好きになることはほとんどない。そのため、特定のアーティストの曲を聞くのでなく、テレビやプレイリストの垂れ流しでたまたま流れてきて聴くことが多い。そもそも歌詞が私の頭に入ってきづらいこともあり自分から、歌詞のある曲、特にJ-POPを進んで聴くこともあまりない。そんな私が、偶然お店で流れていて耳に残った曲、Official髭男dismの「Same Blue」についてレビューしていく。
なんだこの違和感は──私がそう感じたのは、歌詞が入ってきてたった数秒の出来事だった。なぜ、この曲が私にインパクトを与えたのか、それは「拍子」にあった。どうやらこの曲は変拍子らしい。繰り返し聞いていくうちに、イントロはまず5拍子で始まることがわかった。そして、Aメロからは6拍子に変化する──と思いきや、5拍子が一瞬入ってきて6拍子に戻っていく。そこからはずっと6拍子で進んでいくということもなく、サビで「5(拍子)、5 、6 、5 」という変拍子が繰り返されてまた拍子が変わる。この変拍子で進んでいく、そんな不安定な要素を曲に入れるということは何か意図があって不規則にしているに違いないと思い、私はそこで曲名を調べた。
Same Blue直訳すると「同じ青」。さらにこの曲について検索してみると、どうやら、この曲がアニメに使われていて、そのアニメが青春部活ラブストーリーであるという。そして ”青” が比喩する言葉──「青春」を思わせる要素が節々で感じられる。この青春というものも不安定である。
またこの曲の歌詞について見てみるとサビの短い部分だけで季節全部を通り過ぎていく。「よそ見する暇もない忙しい世界」である、誰しもが通ってきたであろう青春というのを歌詞と変拍子の不安定さで表現しているのではないか。
この曲はがっつり変拍子の曲だったが、どうやらOfficial髭男dismの曲にはおおまかにとると4拍子だけれど、変拍子と捉えることができる曲もいくつかあるらしい。実際に私が他に聞いてみた曲「Subtitle」にも5拍子+3拍子と捉えることのできる部分があった。ぜひ曲を聞く時に探してみてほしい。
作品名:Same Blue / Official髭男dism
クレジット:作詞作曲 藤原聡 編曲 Official髭男dism
発表日:2024年10月2日
レーベル:IRORI Record