『紅の豚』はスタジオジブリが制作し1992年に公開された作品。舞台は第一次世界大戦後の1920年代末、不況にあえぐイタリアのアドリア海。主人公は空賊から船を守る賞金稼ぎを生業とする、豚の姿をした凄腕飛行艇乗り。国に従わない主人公を始末しようとするファシストや空軍から逃れ、空賊の雇った凄腕飛行艇乗りと対決するお話。
さて皆さんはこの作品を見て何を感じただろうか？私はずいぶん前に一度か二度、見たきりだったので今回DVDを借りて見直してみました。そこで感じたことは、空賊でありながら気持ちのいい連中な飛行艇乗り達に対する好感や、ファシズムを掲げそれに迎合しない主人公を裁判にもかけず始末しようとするファシストや空軍への不快感などもありますがやはり、
主人公「ポルコ・ロッソ」がただただ、かっこいいという印象をいだきました。そこで何故、主人公「ポルコ・ロッソ」がかっこいいのか考えた時にタイトルの『紅の豚』にそのかっこよさが詰まっていると考えました。なお「ポルコ・ロッソ」を直訳すると『紅の豚』になるがそこは置いておきます。
まず、『豚』の部分です。主人公は魔法で『豚』の姿になっており、そこにはポルコが発した「ファシストになるより豚の方がマシさ」や「豚に国も法律もねぇよ」のセリフから分かる通り、国に逆らってでも「自由」を信条とする姿や「飛ばねぇ豚はただの豚だ」のセリフの通り、ただの豚ではなく空を飛び回る「自由」な豚だとの主張がカッコよく感じます。
次に、『紅』の部分です。この紅は主人公が乗っていてトレードマークとなっている紅色の飛行艇のことを指していると思われます。それは、海と空は青で、雲と砂浜は白で、陸は緑に覆われている場所を飛んでいるので、とても紅色の飛行艇は映えて「ロマン」を感じます。また、それだけ映えるということは同時に発見しやすいということでもあり、国や空賊から付け狙われている主人公の「凄腕さ」がより際立ち、そこがまたかっこよさになっています。
このように『紅の豚』には、「自由」の為なら豚の姿でいることも厭わず、いろいろなところから付け狙われてもそれを苦にしない主人公の「腕」、実用性より自分のトレードマークである紅色に拘る「ロマン」、などかっこいい要素がたくさん詰まっているのです。