ハウルはダメンズなのか?-『ハウルと動く城』

この物語には『ハウル』という魔法使いの男性が登場する。

そしてこのハウルの女性人気は計り知れない。これは検索で「ジブリ男性キャラ・ランキング」と検索したところ上位5件では必ずハウルが2位上だった。その他でもショート動画にはハウルをかっこよく編集した動画が多く見られることからその女性人気が窺える。

なぜか。

まずハウルがかっこいいと思われる要因について考える。

それは顔面だ。ブロンドの長髪に青の瞳、高い鼻とシュッとした輪郭。そして小さな顔に少し中性的な印象がある。ここまでの要素にハウルは常に表情管理を欠かさない。余裕の感じる笑み・微笑みが作中では常描かれており、顔面の良さは計り知れない。加えてハウルは高身長であり足長の細身、服装もシンプルながらアクセサリーやマントを使いカリスマ性とどこか中性的でアンニュイな雰囲気を感じさせる。2004年に描かれた美男子像ではありながら現代でもそのビジュアルは大きく人を寄せ付ける。

以上が僕自身からみたハウルに見受けられる女性人気の内情と行ったところだろう。今からハウルのネガキャンを行う。

結論から言うとハウルの「ダメ男」要素は内面の不安定要素だ。

上記で性格について言及しなかったのだが、映画序盤のハウルは紳士的で言動に安っぽさがなく且つ余裕がありスマート、隙を見せない王子様のようだ。しかしこれが一変する。主人公ソフィが城の風呂場を掃除したのだが、ハウルの棚をいじってしまったのかそのまま風呂に入ったハウルは綺麗なブロンズヘアから汚い赤毛になってしまった。

そこからハウルはまず『乱心』フェイスタオルしか腰に巻かず城中を走り回る。『怒り』そしてソフィを見つけてからは棚を弄ったことを激詰め。そして『メンタルブレイク』続いて美貌を失った自分に凹み、髪は黒くなり体から緑粘液を垂らしながら黒い部屋に引き篭もった。ついでに荒地の魔女の家に呼ばれてもビビって女性であるソフィを代わりに向いに使った。

このように中盤からは先ほどの内面とは真逆の情けないタイプの「ダメ男」全開な動きをするので、一概にハウルの性格を読み取ることはできない。

さらにハウルはカルシファーに心臓を与えており、その穴を埋めるために美女のハートを奪う噂が流れている。つまりハウルは必然的に浮気をするのだ。後にこれはソフィを探し回っていただけだったことが判明するのだが、その噂が流れる時点な適当なやり方だったことが窺えるし、この後先考えず優しくして後に面倒がくる感じもナイス不安定。

とは言ったものの結局ハウルは魅力的であり、顔面はイケメンだ。ビビってソフィを荒地の魔女の家に向かわせたものの、ここぞな場面でやはり登場。中盤の圧倒的マイナスもギャップに思えてしまう。このようにハウルに対する思いが揺れ動く自分もまたハウルに心臓を奪われた美女の一人なのかもしれない。