美麗なグラフィックで甦った名作『サイレントヒル2』

PS2を代表すると言っても過言ではないサイコロジカルホラーが、非常に高い水準で甦った本作だが、紛れもなく良いリメイク作品だったと言える。プレイ時間は約十五時間ほど。エンディングは二周目以降に見れるものなども含めると8種類と申し分ないボリュームだ。

今作はグラフィックの完成度が凄まじく高いと感じた。ゲームの映像表現の転換点とも言えるPS5が発売された四年前に比べても頭一つ抜けている。
とりわけ、主人公ジェイムスの3Dモデルに顕著と言えるのが、時間の経過によって変化していく見た目だ。
ジェイムスはさまざまな災難に見舞われて、心身ともに疲弊していくのを作中の言動から見てとれるが、同時に顔がやつれていくなど視覚的にも疲弊していることへの納得感を感じさせる仕上がりとなっている。

ゲーム開始時のジェイムスの見た目
ゲーム終盤のジェイムスの見た目。最初よりもやつれている。

さらに演出面でも高い完成度を誇っている。
本作はホラーゲームとしてプレイヤーへのストレスの与え方がとてもうまかった。BGMやSE、敵の配置。さらに道中の謎解きなどと言った、ホラーゲームを形取る要素が全て上手く調整されている作品と言えよう。

さて、サイレントヒルシリーズは架空の街「サイレントヒル」が主な舞台となって展開されているゲームシリーズである。今作は死んだはずの妻がサイレントヒルで待っているとの手紙を受け取った主人公ジェイムスが霧に包まれた街サイレントヒルを探索することになる。
サイレントヒル自体が何かを物語ってきているような不気味さがある。そんな街を探索していく中で、様々な人物と出会い、ジェイムスの心の奥に迫っていく物語だ。

最後に本作をプレイする上でプレイヤーは置いてけぼりな感覚に陥っていくだろう。進むごとに輪をかけておかしくなる街を進んでいくジェイムス。プレイヤーはただ何もわからないまま進行していくが、最後にはそれまで置いてけぼりだったからこその絶大な印象を残していく。まさに本作の最大の魅力と言えよう。
ホラー好きなら一度プレイすべき、サイコロジカルホラーとして文句のない名作である。

サイレントヒル2 ストーリートレーラー

作品データ
作品名:サイレントヒル2
クレジット
 プロデューサー:今村哲裕
 ディレクター:坪山優史
 シナリオ:大和久宏之
発売日:2024年10月8日
開発元:KONAMI(https://www.konami.com/games/jp/ja/)
値段
 通常版:8,580円
 デラックスエディション:9,790円