パクジュンソ「悩みと進学と人生」

──堅苦しいのもアレだし、緩くいこう。まず、ジュンソがなぜこの学校に入ったか?

「話長くなるよ。音楽を学びたい、大学に行ってみたい気持ちが湧いたんだ。今、俺27歳なんだけど、元々大学行く気もないし、行ってもなかった。ちょっと色々経験してるうちに、音楽辞めようかと思ったけど、一回しっかり勉強したくなった。そんなときに、めっちゃ好きな中村佳穂さんのインタビューで、精華大学に通ってるって知って。調べてみたら面白そうだったから、ここに来た」

──逆に、高校卒業したときはなんで大学行かないって決めたの?

「音楽がやりたくて、大学は必要ないって思った。インディーズの人も大学行ってないし、一人でできると思った。でも、結局はあんまできなかった」

──高校卒業してから大学に入るまで何してたの?

「6年くらいあって、音楽しながらバイトもしてた。あとは学校っぽい場所にも行ってた。哲学とか自然科学とか話し合う、少人数の学びの場。20人くらいで、年齢バラバラ」

──そこに通いながら、精華大学に行こうと思ったのはいつ?

「通ってる中で『闇の時期』が来た。引きこもったり、コミュニティもやめたりして。カウンセリングを受けて、自分のことが少しずつわかってきて。音楽でもなんでもいいから、とにかく学びたいと思った」

──病む時期って、みんな来るよね。俺もそうだったし、今でもそうかも。

「みんな来るよ! でもその経験がある人の方が、話が合う気がする」

──音楽はどういうの作ってたの?

「卒業後はあまり作ってなかった。一人でやってると怖くなっちゃって。でも音楽は今でも好きなのか分からない。惰性だったかも。当時は何もできてないって焦ってた。今こうして整理するのも久々」

──音楽は普段どういうの聴いてるの?

「高校卒業してからずっと、新しい音楽を探して聴いてる。知らない音楽に触れたいっていう欲望で。韓国の民族音楽とか、最近はそんなの聴いてる」

──こういう音楽聴いてる人、初めてかも(笑)。

「だよね(笑)。でも、世界が広がる気がする。自分が楽しめる場所が増えるっていうか。ジャンルごとの良さを見つけたいんだよね」

──そろそろ時間だね、ありがとう。

「こちらこそ、久々にこんな話できた」


大学に行く理由には人それぞれある、が知らないうちにみんな「大概同じ理由だろ」というように決めつけている自分がいた。しかしジュンソのこの大学に来るまでの経緯、この大学に対しての思い、人生観。そういったものを聞かせてもらった時に、決して自分と同じというわけではないが、共感や関心が生まれるものとなった。

インタビューアー:眞鍋由蔵