まっすぐな言葉――ORANGE RANGE『花』を今聴いて

私が生まれた2004年にリリースされたORANGE RANGEの「花」を、改めて聴いてみると、感じるのはその“まっすぐさ”だ。イントロの優しいメロディ、そしてサビに向かって一気に盛り上がっていく構成は、J-POPの王道のような印象がある。感情を正面からぶつける歌詞は少しは回りくどくも感じるが、だからこそ今の時代とは逆で新鮮に感じ、心に響く。

2025年の今、音楽はストリーミングが中心で、音もメッセージも洗練されていて、どこか「さりげなさ」が大事にされていると感じる。それに比べて、「花」のようなラブバラードは、感情の波をそのままぶつけてくるような勢いがある。

2004年は、今とは違い、連絡手段がメールや電話が主流だった時代。だからこそ、一つひとつの言葉に込める思いの重さが今とは違っていたと思う。「花」の歌詞には、相手への想いや別れ、愛情の大きさがしっかりと表現されていて、それが多くの人に届いた理由なのだと感じる。

今の時代にこの曲を聴くと、少し懐かしい気持ちになるだけでなく、「感情を言葉にして伝える大切さ」を改めて思い出させてくれる。時代は変わっても、音楽が持つ力は変わらない。「花」はそのことを、今の自分にも静かに教えてくれるような気がした。