かつてあったインタビューにて私は、歌詞のある曲は苦手だと言った。
それなら私は今まで何を1番聴いてきたのだろうか。吹奏楽曲はいっぱい聴いてきたが、それ以上に聴いていたものがあった。
それは、ゲーム音楽だった。特に聴いていたものは「星のカービィWii」と「マリオカート8デラックス」の2つ。今回は「マリオカート8デラックス」に登場するbgmについて語っていこうと思う。
まず、このゲームがどういったものかというと、一部例外のコースもあるが基本的にコースを3周走るレーシングゲーム。マリオシリーズの世界観をモチーフにしたコースが数多くあり、発売当初の2017年時点では48コースだったが、2022年に追加ダウンロードコンテンツで新たに48コース追加され、合計96コースと8つのバトルコースで遊ぶことができる。また、このゲームには9つのマリオカート過去作で登場したコースも多く含まれていることが特徴的な作品だ。そのため同じコース名のものもいくつか存在する。
大量のコースから選べる作品だが、この作品のすごいところはほとんどのコースが別のbgmを使用しているということ。同じコース名でもbgmは違うし、同じbgmになっているのは、バトルコースを除くとおそらく「ワリオスタジアム」と「ワルイージピンボール」の1組だけである。
1曲1曲がコースの世界観を創り上げている。そんなbgmたちをいくつか紹介していこうと思う。
①「スカイガーデン」
この曲は、マリオシリーズである「スーパーマリオギャラクシー」の中に登場するbgm「ウィンドガーデン」の一部が使われている。上手く組み込まれているのがすごい。そしてこの曲は、稲妻が落ちてくるゾーンに入ると今まで管楽器メインの曲だったのがロックギターに変わる。明暗がしっかりしていてとても良い。
②「どうぶつの森」
このコースはマリオとは別作品の「どうぶつの森」をモチーフにしたコースになっている。そしてこのコースの特徴、なんと春夏秋冬の4つのバーションが用意されている。それに伴いbgmも4つのバーションが存在する。なんて細かい……。bgmの前半部分は全バージョン共通でゲーム「とびだせどうぶつの森」のメインテーマが各楽器を変えてそれぞれ四季に合わせたアレンジで、後半部分はそれぞれ使われているフレーズが違い、春はゲーム「どうぶつの森」のメインテーマが、夏はゲーム「とびだせどうぶつの森」の商店街のbgmが、秋はゲーム「おいでよどうぶつの森」のメインテーマが、冬はゲームシリーズ共通のクリスマスbgmとゲーム「とびだせどうぶつの森」のPM7:00のbgmがそれぞれ使われている。曲も「どうぶつの森」感を感じられるが、ここのコースはコインを取る音や風船を打ち破る音などが「どうぶつの森」に準拠している。「どうぶつの森」を結構プレイしてきた私のとって最高のコースである。そしてさらに注目してほしいのがリザルト画面に入った時の音楽。ぜひ聴いてみてほしい。
③「ネイチャーロード」
オーボエ主体の民族音楽的な雰囲気で穏やかな曲であるが、実はある意味穏やかではない面を持っている。なんとこの曲、5拍子で曲が進んでいく変拍子楽曲なのである。レースゲームは基本的には4拍子のものが大半である中で5拍子のチョイス。なかなかにオシャレ。しかし、私はいつもこのコースはbgmに気を取られて上手く走れない。なんてbgmを使ってんだ。
ちなみにいうと、「パックンしんでん」というコースのbgmも8分の6拍子というなかなかにいかしてておすすめ。
④「マドリードグランデ」
スペインの首都マドリードを舞台としたコース。途中美術館とサッカースタジアムを一瞬通り過ぎていく場面があるが、ほんの数秒でもメインのフレーズはそのままにその場の雰囲気に合わせたアレンジがされている。ちなみその場所に立ち止まっているとずっとその場所バージョンで聴ける。
他にも「マドリードグランデ」のように一部の場所だけbgmがアレンジされることがマリオカートのコースに度々登場する。水中と陸を走るコースではそれぞれで別バージョンが用意されていたり、「シンガポールスプラッシュ」では最後の方に中華街を駆け抜けていくところがあるのだがそこでもbgmアレンジされている。
レースゲームであることから、そのプレイヤー自身の走りによってその変化する場面を通る時間というのはさまざまであるのにもかかわらず元のbgmから違和感なく変化させている。このプレイヤーに寄り添った変化がこのゲームの魅力をあげているのではないか。音楽ってすごい。