わたしと楽器

わたしは卒業制作に吹奏楽を絡めるほど吹奏楽バカだ。そして、もう10年近く演奏しているファゴットという低音メインの木管楽器を愛するバカだ。

そういえば、音楽と出会ったのはいつだろうか。
わたしはなぜ、音楽から離れられないのだろうか。

わたしと鍵盤楽器
楽器に触れたのは3歳の頃。グループ制のオルガン教室に通っており、そこで合奏の楽しさを学んだことがことの発端かもしれない。そこでは電子オルガンをもちろん触れていたはずだが、記憶にはほとんど残っていない。それよりも印象に残っていることが、みんなでアンサンブルをする中で、なぜかシロフォンをやってみないかと言われ「よろこびの歌」を練習したことだけだ。

この時、鍵盤打楽器のシロフォンに出会ったことがきっかけかもしれない。
グループのオルガン教室に通った後、個人のピアノ教室に通うことになる。しかし、そこでわたしは音楽を、というよりピアノを嫌いになる。

好きのきっかけも嫌いのきっかけもピアノかもしれない
オルガンもピアノも自分がやりたいと言って始めたものではない。そのためピアノ教室は私の中で義務教育的立ち位置だったのだ。そして、練習もせず毎度レッスンを受けるようになっていって小学2年生の頃にレッスンをやめてしまったのだった。「ピアノなんか嫌いだ、やめる!」といった感じに。

そして小学4年生の時にシロフォンとたまたま再会することとなる。小学校の音楽発表会で器楽合奏を初めてやることになるのだ。オーディションで楽器を選んでいったのだが、楽譜も難なく読めるし、何よりシロフォンをある程度演奏したことがあるわたしは、オーディションに合格した。ピアノを、音楽を習っていたことがここで初めて良かったと思えた。そして、シロフォン以外にも新たな楽器に出会うことになる。その名もバスマスター。私が楽器好きでその中でも特に低音楽器を好きになるきっかけはこの楽器かもしれない。

それから、何でかわからないがわたしは嫌いだったはずのピアノに再挑戦することになる。

ピアノを演奏するというよりわたしがしたかったこと
クラシックを聴くことは好き。ピアノという楽器も好き。しかし正直な話、クラシック曲をピアノで演奏することはわたしには好かなかった。それでもわたしがピアノを続けた理由。それは、合唱のピアノ伴奏を任されたかったからだった。歌を歌うことも好きだけれど、それよりも大人数で歌う中一人で伴奏をする同級生のピアノを弾く子に憧れた。そしてピアノに向き合う。ただ、この合唱の伴奏者もオーディションで毎度決めていたのだが、わたしは1度だけしか任されなかった。

たまたま聴きに行った演奏会、あの時聴いた曲と楽器が忘れられない
小学5年生の時、近畿大学吹奏楽部の定期演奏会をたまたま聴きに行った。忘れもしない、あの演奏会。そこで聴いた「トリトン」という曲。そこでわたしは未知の楽器と出会うのだった。
楽器については詳しい方だったと思う。どの楽器がどんな音がなるとかはほとんど知っていた。しかし、聴いたことのない楽器の音がその「トリトン」という曲の中で出てくる。いや、聴いたことないと言いつつもよく耳にする音で楽器名と一致しないというだけだったが。その楽器の名前は「イングリッシュホルン」。なんかファゴットより音が高いな、でも音が似ているなという特徴から楽器の名前が判明した。

吹奏楽をやりたい!イングリッシュホルンを演奏したい!
それから、わたしは吹奏楽の沼に落ちた。そしてまもなくしてわたしの父の転勤が決まった。小学6年生の時だった。その時、ちょうどわたしが引っ越す予定の場所の候補の中のひとつに吹奏楽の大会にものすごく熱がある中学校の校区になっているところがあった。ここの学校ならイングリッシュホルンにまた会えるかもしれない。その希望を胸に引っ越してきた。

イングリッシュホルンは吹けないけど
イングリッシュホルンは吹奏楽ではメジャーな楽器ではない。だが存在はするのだからきっと誰かが持ち替えで吹いているのだろうという事はニワカなわたしには知る由もなかった。ここの吹奏楽部は大所帯だから演奏者がいるはず。楽器体験を回るにあたって最初に希望したのはホルンだった。実のところ、名前に「ホルン」と入っているけれど、ホルンとは全くの別の楽器である。そしてなんやかんやがあり、入部して楽器の希望を書く時がやってきた。わたしが第一希望に書いた楽器は「ファゴット」だ。ちなみに、なんやかんやの部分は、その時教わった先輩に惚れたから。楽器自体ももちろん好きだが。

わたしの中学の吹奏楽部
吹奏楽部に入って、ファゴットを担当することになったわたし。楽器はファゴットなのだが、パートはフルートパートに属することになっていた。ここで2つの衝撃を受けることになる。1つ目が、イングリッシュホルンを演奏する人の話。なんと同じパートにオーボエがいて、その人が持ち替えて演奏するらしい。うーんニアピン。まあ近くで音が聴けるだけいいか。2つ目が、吹奏楽に興味を持ったきっかけの曲「トリトン」のコンクール用に短く編曲された「トリトン・エムファシス」という曲をコンクールの自由曲にしていたのだった。1年生はコンクールに絶対出られないことからこの曲を演奏することはなかったのだが、まさかの2年生の時に別の編曲バージョン「トリトン・デュアリティ」をコンクールで演奏することになる。

ここまでくると身バレしてもおかしくない話ばっかりだ。コンクールの話ももっとしたいが、これはいつかまた別の機会に。

高校でも吹奏楽
正直な話、中学でいい環境で練習できていてコンクールの成績も良かったことにより高校の吹奏楽部は大して期待していなかった。このときはまだ、自分が吹奏楽好きということを自覚しておらず、高校では吹奏楽部に入る予定はそんなに考えていなかった。そもそも自分が演奏しているファゴットという楽器はマイナーな楽器であり、所有していない吹奏楽部の方が多い気がする。しかし、その高校の吹奏楽部はファゴットを所有していた。
そしていつの間にか吹奏楽部に入部していたのである。入る予定なかったのに。
結果からいうと高校2年の時も3年のときも夏のコンクールは地区大会銅賞。しかしわたしの同級生には楽器の演奏が上手い子が多かった。その同級生の中に吹奏楽について詳しく語れる友達がいた。(友達と呼んでもいいのか微妙なラインだが、少なくともわたしは友達だと思っている。)多分そこでいっぱい語り合ったから自分が吹奏楽バカであると気づいたのだ。

そして、今でもわたしは吹奏楽を、ファゴットを続けている。

わたしの人生は、特に何もなく普通な人生を歩んできたと思っていた。でも、今回なぜ音楽に出会ったのか振り返ってみたことで、音楽が自分自身に多大な影響を与えていて、特別な体験までもさせてもらっていると気づいた。

何度も手放そうと考えた音楽。それを捨てなくて良かった。