2024 3Q 制作ノート 安部翔太


作成日:2024.12.09

作成者: 安部翔太


背景

日常に潜む悪魔を召喚し、戦わせるゲーム「Pocket Demon Battle」をISCA2024で展示した。本作品は、エンタテインメントコンピューティングと社会実践実習でも展示したが、今回はその魅力がさらに伝わるように改良を加えた。

制作テーマ

本作品の魅力は、見慣れた光景に異質な存在が溶け込んだり、非日常に常識が通用する特徴的な世界観である。しかし、過去2回の展示では、遊び方の分かりづらさやゲームらしい演出の不足といった完成度の課題により、魅力が十分に伝わらないことがあった。今回の展示ではこれらの課題を解決し、独自の世界観に魅力を感じてもらうことを目指した。

実践内容

今回の展示では、ゲームをインストールした2台のiPadの他にモニターを2つ設置した。一つ目のモニターでは、過去に体験した人が撮影した写真と召喚した悪魔が滑らかに切り替わりながら順番に表示した。これにより、写真に写っているものを悪魔に変換する遊びであることが体験する前に伝わるようにした。二つ目のモニターでは、遊び方と注意点を表示した。これにより、体験中にプレイヤーが次に何をすべきか迷わないようにした。

また、ゲーム本体に対しては、BGMの追加と戦闘演出の改善を行なった。BGMは、戦闘の緊張感と悪魔の恐ろしさを表現できる2曲を交互に再生した。戦闘中は、悪魔の攻撃のタイミングで効果音とアニメーションを再生し、戦闘の様子を想像しやすくした。こうした変更により、従来よりもゲームとしての完成度を高めることができた。

当日は、過去の展示と比較して、体験者により楽しんでもらうことができた。繰り返し遊ぶ様子やゲームプレイ中の笑顔から、今回の改善が効果的であることを確かめられた。

今後の展望

今回の展示では、体験の満足度を向上させることができた。しかし、いくつか課題が残った。一つ目は、装飾のクオリティである。装飾は設営日に用意したため、全体のデザインを十分に考えることができなかった。今後展示を行う際には、事前にイメージボードなどを作成し、他者のフィードバックを得ながら準備を進めていきたい。二つ目は、振り仮名が不十分であった点だ。ゲーム内には、小さい子供には読めない漢字が多く含まれていた。今後は、どのような人が体験するかを想像しながら作品制作を行なっていきたい。



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