2025 3Q 制作ノート 岩前皓太


作成日:2025.12.05

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“How to Bfound”

構成要素 シングルチャンネルビデオ,サウンド

SNS以後のネットワーク空間に氾濫する「匿名の消費映像」を素材として扱いながら展開されるファウンドフッテージ形式作品。映し出された映像は匿名化された者の痕跡として現れる。

本作品では加速されたSNS以後の時間の政治性を可視化する試みである。

Screenshot

背景 制作テーマ

2021年以降、TikTok/Reels/YouTube Shortsが決定的にもたらした変化は、映像の本質が「個人の表現」から「アルゴリズムの燃料」へと完全に転換したことだ。15~60秒という短さは、投稿者の顔・名前・文脈・意図を瞬時に剥ぎ取り、動画を純粋な消費単位へと還元する。視聴者はもはや「見ている」という意識すら持たず、無意識に次へ次へとスワイプし、時間そのものが細切れの加速状態へと解体されていく。こうした状況において、YouTubeに無数に残る「過去のデータそのもの」──たとえばIMG_0001、IMG_0002……と名付けられたままアップロードされた映像シーケンスや、監視カメラの生ログ、スクリーンレコーダー等を編集、遅延を用いて痕跡を立ち上がらせる、作為の所在を考える意味でもあり、映像作品として展示した。

今後の展望

この作品は、当初は興味本位で制作を始めつつあった「SNS時代における新しい映像作品の形式とは何か」という問いの過程で、制作のテーマとして「見る/見られる」から来る能動的受動性も関係している。シーケンスの関係性を意図的に遅らせ、歪め、再び問い直す装置(インスタレーション)として構築したいと考えている。観客が見ることを許されながらも、完全には見ることができない、逆説的な体験を通じて、現代の映像が置かれた「過剰な可視性」と「絶対的な不可視性」の両極の間で揺れる状況を浮き彫りにしたい。



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