2025 2Q 制作ノート 安部翔太


作成日:2025.08.19

作成者: 安部翔太


背景

住んでいる街、通っている街は次第に新鮮さを失い、刺激が少なくなります。しかし、そのような街で普段は通らない道を歩いたり、誰かにとって大切な場所があることを知ると街の見え方が変わり、魅力的に感じられるようになることがあります。

制作テーマ

今期は、こうした経験を元に「街の見え方を変えるマップアプリ」をテーマにして制作を進めました。ターゲットは、身近な街を退屈に感じてしまうようになった全ての人です。そのような人に対して、街が活き活きと感じられるようにすることを目指します。

実践内容

四つのマップアプリを制作しました。いずれも、多くのマップアプリと同様に場所の検索と目的地までの経路の表示を行うことができます。しかし、それぞれに異なる特色があります。

一つ目は、気が散るマップです。本作品は、一般的なマップアプリと比べて気が散るように設計しています。行きたい場所を検索すると、期待する結果の他に、入力したキーワードとは直接は関係しない結果が表示されます。この機能では、入力キーワードから連想できる言葉を使って検索を行なっています。これにより、行こうと思っていなかった場所へ行くきっかけが与えられ、思わぬ発見を生みます。また、経路を表示する際には、目的地に対してアプリ内のキャラクターからメッセージが届きます。メッセージにはキャラクターの個人的な話が含まれており、行き先に対しての印象を変えます。

二つ目は、気が散らないマップです。本作品は、一般的なマップアプリよりも気が散らないように設計しています。一般的なマップアプリのようにマップの拡大縮小、移動ができず、現在地の周辺のみを表示することで意識が分散しないようにしています。この機能は、現在地の周りに意識を向けることでこれまで気づけなかった街の姿を発見できます。

三つ目は、場所がモンスターになるマップです。これは、場所の名前が正しく表示されず、代わりにモンスターの名前が表示されるマップです。この機能によって、場所が持つ印象を変化させることを狙いました。また、気が散らないマップのように現在地の周辺のみを表示し、移動しないとどこにどのようなモンスターがいるか分からないようにすることで、全ての移動を冒険に変えます。

四つ目は、左右反転マップです。地図を左右反転させて表示させることで、移動の難易度を高めます。これは、マリオカートのミラーコースに影響を受けて制作しました。道に迷い、通るはずのなかった道を歩くことで新しい発見を生みます。

今後の展望

今後は、制作したアプリを公開してユーザーからのフィードバックを収集していきます。収集したフィードバックから街の見え方を変える効果の検証を行い、改善すべき点を見つけます。また、展示によって本作品の認知を拡大したいと考えています。そのために、効果的な展示方法を模索していきます。



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