2025 2Q 制作ノート 鵜山ひなた


作成日:2025.08.19

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背景

中間展に向けて、展示内容を固めた。
1Qでは聞きなしについて制作をしたが、2Qでは擬音語にもどって作品形態の可能性について考えた。

制作テーマ

2Qでは、新しい擬音語の法則性については「子音」のみなど最小限にとどめ、文字単位でバラバラにしたものを組み立てるような作品形態について考えた。
恣意的に組み合わせると、擬音語を作って楽しむというより単語を再現するような方向に意識が向いてしまう可能性があると考え、2Q最終ではランダムに文字を組み合わせる内容にした。

制作

①聞きなしと名詞

鳥の鳴き声を再生し、背景に太鼓焼き(その他名称多数)の画像を表示した作品。
文字数が一致していれば鳴き声が画像の名称に聞こえるのではないか、表示されている絵に対して、本人の知識で納得できるか否かが分かれるのではないかという仮説をもとに制作

結果:空耳までいかなかった。
考察・フィードバック:
・類似度が低い
・リズムとアクセントが大きく影響しているのではないか。
 →方言の違いとしてのアクセント

②文字を組み合わせてオノマトペを作ってもらう

水のオノマトペに含まれる文字要素(青)と工事現場のオノマトペに含まれる文字要素(橙)をそれぞれ印刷し、同じ色のカードのみで擬音語を作り、どのような印象を得られるか考えてもらう
同じ色の擬音語どうしでの感じ方について楽しむ。

結果:
・色を混ぜずに作ってもらう
 →遊ぶ中で混ざってしまうことがあった
・オノマトペを作ってもらう
 →単語を作って遊ぶといったような想定外の遊び方が生まれた
考察・フィードバック:
出てきた単語の響きが水っぽい/工場現場っぽい(硬そう)かもしれない。
水→水っぽさ
・「ごつ」→異質
・「ちゃんぽん」→水っぽい
・「ぽぽちゃん」
・「つぼ」
・「さぶん」
・「ばぶちゃん」
工事現場→硬そう
・「うぃうぃ」→異質
・「じゃこ」→工場っぽい
・「どばい」
・「いんど」
・「がんばり」
・「うぃんど」→水っぽい?
→うぉーたーと似てる?

③ランダムにオノマトペを生成する

②では、鑑賞者が文字を組み合わせると作ることが目的になり、作ったオノマトペを客観的に見る→印象について考えるまでいかないように感じた。そのため、作品側でランダムにオノマトペを生成し、それを鑑賞してもらう形態にした。

結果:作ることを作品側でやることで、よりオノマトペの印象についての話し合いができた
考察・フィードバック:
・読み上げをすることでより印象についてそれらしく聞こえるのではないか
・外国の人からしたらどう見えるのか
・架空の赤ちゃん言葉みたい
 →日本語覚えたて?
 →意味が通ってなくても聞こえがいいものを連呼する
・出現確率の操作
・被り有無
 →アルゴリズムを足す
・オノマトペとしての妥当性?音との類似性?
 →スペクトログラムとか
・海外の名前の文脈と似てる
 →既存の言葉じゃない

→2Q展示では、下記要素を追加して展示した。
 ・物理ボタンを押下することで新たに生成
 ・VoiceVoxによる読み上げ

今後の展望

今後は、作品側のコンピュータで生成する要素は残しつつ、表示する要素や組み合わせる文字などについて検討していきたい。
特に北斗の拳などの漫画で使われる独特なオノマトペについて一度考えてみたいと思う。



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