2025 3Q 制作ノート 本田光


作成日:2025.12.05

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作成日:2025.12.05
作成者:本田光

背景

現代のデジタルメディア(SNS、動画配信等)は、主に視覚と聴覚の情報処理に偏重しており、身体的な関与が希薄化している。その結果、情報の摂取量は増大しているにもかかわらず、自身の身体に対する実存感を感じにくい状況が生じている。

制作テーマ

そこでカイヨワの「遊びと人間」から遊びの一種であるイリンクス(眩暈)という概念を持ち出し、メディアのマッピングという特性を使って体験者に遊びでありながらイリンクス体験を起こし、自身の身体への実在感を感じ直すことを目指した。

実践内容

展示形態としては、ペンタブレットを設置し、その映像をwebカメラで撮影、タッチデザイナーで変化を与えた映像をモニターに出力している。体験者はペンを持ち、タブレットに書き込むと線を映像上に描くことができる。ただ体験者がペンタブレットに書き込みを加えない限りモニターに映る映像はwebカメラでそのまま撮影した映像と体験者がペンで描いた線しか表示されない。そして体験者が書き込みをしている間に映像が二つになりただ写しているだけの映像とその映像を数秒ごとに回転させた映像が重なり合い、その映像は筆圧によってそれぞれの透明度が変わる。このことによって、正しい手の動きと誤った手の動きが上下することで体験者は線と手の動きで感覚を扱っていたがどちらが連動しているのかを見誤り気持ち悪い感覚に陥る。こういった作品を作成した。

今後の展望

実際に展示してみた結果は体験者の半数程度には伝わっていた。ただ、まだイリンクスというには弱い部分もあり、作品としてもデモのような形態である点なども改善していく必要があり今は視覚を中心に触覚を扱っているがどの感覚をマッピングによってコントロールするのかという考えを軸にイリンクス体験を発展させていく。



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