no3

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 この作品ではいくつかの調理器具を空間に吊り下げ、それらを前後にそれぞれ動くRGBの光源で照らして影を映しだす。光源の色や強弱、位置関係などの複雑な要素が組み合わり、 それらが変化するたびに異なる見立てや印象を体験者にもたらす作品である。効率化至上主義的な社会の傾向から、何事においてもなるべく効率的である方が良いとされている。 それによって時間をかけて考えることが疎かになっていないだろうか。このテーマをもとに、見慣れたものをあらためて熟考することを意識してこの作品は制作された。 日常的に使うような調理器具を、動く3色の光源を用いて二次元化、影として観察してみることで、鑑賞者が普段使っているだけでは気がつかないことについて考える行為を促し、 新たな気づきができる体験を模索した。時間をかけて再考する試みによって、スマートさを追い求めすぎる思考から脱すること、ひいてはその過程で得られる気づきが多角的な視点を体験者にもたらすことを期待する。


Project Type: Work

Credit:
Chikari Hirose(Creator)
Scott Allen(Advisor)





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