2024 3Q 制作ノート 宮本萌希


作成日:2024.12.09

作成者: miyamoto honoka


初めに

3Qでは2Qで研究テーマとして「MULTIPLE SHADOWSー潜伏する複数の影絵の探索的絵本体験ー」のもと、制作を行なったのちに日常的に身近な存在である既存のグラスに転用しシャドーアートの新たな探索的体験を展開することのできる作品の作成を行ない、今学期末にて最終の展示する作品の形へと固めた。それに伴い、研究テーマでは絵本ではなくグラスに変更をして、日常生活の中で変化を体験することができることを目的として制作を行なった。

制作過程

今学期はじめに目標として掲げていたのは、以下である。

・複数の影が展開することができる

・水を入れる入れないでも影の変化を作ることができる

この目標を掲げて制作していったのちに、決まった方向性としては全反射による変化をつけることであった。

全反射とは、光が水やガラスなどを通してある一定の角度になると全ての光が反射する現象である。

制作方法としては、グラスに光を当てながら影を都度確認して施す方法を行なった。

グラスは水を入れるようとして使用されるため、水を注ぐ量などで変化をつけることで日々の使用で光にあたった際にグラス上と影で違った絵を見ることでき、様々な発見を作る可能性を見出すことができた。

それが以下である。

・反転による実物上のデザインの暗号化

・二面で現れる文字

・真実の答え

・文字化ける

・階段

・グラスの形態による集光

これらの変容を制作していって気づいた点として、グラスの形が円筒の形であれば全反射の影響が強くはっきりと違いを作ることができ、四角のグラスになると光の屈折が多くなることから影では光の違いが強く感じられた。

また、金魚鉢などの丸いものになると影に全く反映されにくくなるという変化を学んだ。

3Q末展示について

今回の末展示では、最終の形を固めることに伴い水の全反射によって現れるグラスをこれまで見つけた変化の中から制作を行なった。また、展示当日には体験者にアンケートを行い、水を注ぐ前に予想していた形とどれだけ違いがあったのかを客観的に知りたいということもあり行うこととした。

今展示で得られた結果では、まず反省点として誘導の不足が前の展示等同様に感じられてしまった。体験する姿を見守っていた際に、「どうすればいいのかわからない」という声や水の戻したりする手間に戸惑っていたりする場面が見受けられたので、イラストなどを加えるとわかりやすく体験しやすかったのではないかと感じた。

また、ゴミ箱の設置も怠ってしまったためゴミの処理に困っていたりしていたので設営時にシミュレーションをもっと行うようにしようと思った。

反対に得られたものとしては、アンケート結果である。

アンケート結果では、展示したものの中で自分自身も一番面白いと感じたグラスが予想していたものととても異なっていたと投票結果を知ることができ、客観的な視点と主観的な視点の差を視覚的に得ることができた。また挑戦してみたいかという投票でも5人中全ての人が挑戦してみたいという結果をもらい、制作をしてきた手応えを感じれた。

今後の展望としては、頂いたフィードバックを参考にデザインの面でまだ見つけれていない変化を作りきり、日常に視点の変化を作り、自然と柔軟な考え方の練習をすることができるそんな生活に寄り添った作品となれるように追求をしていきたい。

また、引き続き今回行ったようにアンケートも行い、シャドーアートの新たな拡張表現として作っていきたい。



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