2024 4Q 制作ノート 足立侑享咲


作成日:2025.02.10

作成者:


制作の背景

3Qに引き続き、漢字を大部分塗りつぶしても脳内で補完され読める現象とタイポグリセミア現象を用いて一つの文章を読む人によって違う文章として読ませることができるのではないかと考え研究、制作を行っている。特に今回は読めているようで読めていない文章についての研究を行っている

制作の記録

塗りつぶしの技法の研究

白色で塗りつぶしたものと黒色で塗りつぶしたものを用意し、塗りつぶしの色による見え方の変化を見た

結果、黒塗りで起きていた潰された部分の補完が起こる錯覚が白塗りでは起こらず、判読性が下がった。

また漢字だけではなくひらがなも全て黒塗りした場合も文字を読むことが可能であるとわかった。

この結果を元に試作品を作成し展示を行った。

結果、多くの人に他の人と異なった読み方をしていて面白かったとコメントをいただいた。

一方、元の文章が古い時代の詩であったため元々意味を知らない単語や漢字などがあり想定通りの結果とはならなかった。また、文章が長く途中で読むことを諦める人も複数人いた為、今後の課題として文章自体の難易度や文章量を調整し読めているようで読めていなかったという体験に近づけていきたい。

今後の展望

今回の内容として読めているようで読めていない文章の作成に重きを置いたものになっているため、今後の展望としては一つの文章を複数の読み方ができる仕組みの研究を行い現時点では文字の誤読による差異のみになっている作品を意味的な誤読も起きるものにしていきたい。



twitter    github

© Copyright 2025 | Kyoto Seika Latent Media Lab. | Scott Allen