2025 1Q 制作ノート 桑島


作成日:2025.06.16

作成者:


作成日:2025.05.15

作成者:桑島直暖

Scattered cherry blossoms

1、導入

世界でも類を見ないほど表現が多彩な日本語。特に花にまつわる表現は、数えきれないほど存在します。薔薇は枯れる、菊は舞う、椿は落ちるなど、その中でも桜は「散る」と表現されます。桜は散る時が一番美しいと申しますが、散る瞬間が永遠に続くとしたらそれは本当に美しいと言えるのであろうか、今学期は散る桜をテーマとし作品を制作しました。

2、背景

・TouchDesigner を用いること

・TouchDesigner ならではの表現をすること

・Media pipe を用いてhand tracking を活用した作品にすること、その事を念頭に置き、作品の制作をスタートした。

TouchDesigner を用いる他の授業の中で、桜という植物とTouchDesigner の相性の良さに気がつき、Media pipeで桜を自由自在に動かすことを目指した。

3、制作テーマ

本作はプロジェクションされた一本の枝垂れ桜が、鑑賞者の動きに合わせて風が吹き桜の花びらが舞うというものである。他のTouchDesigner の授業では桜が桜に見えないこと、マーシャルトラッキング、インタラクティブな環境音を実装出来なかったことから今回の展示ではそれらの課題を改善し、単純に桜に向き合ってもらえる世界観の構築を目指した。  

4、実践内容

今回の展示では白い布を壁に貼りプロジェクターを設置した、また桜の正面にスピーカーを設置し世界に没入出来るよう調整を行った。モーショントラキングを行うカメラを作品の左下に設置し鑑賞者を確実に捉えることを目指した。
当日の展示では、過去の展示と比較して桜を桜と認識して頂けることやインタラクティブな反応を楽しむ体験者を確認することができ,感想やご意見から今回の改善が効果的である事を確かめることが出来た。

5、今後の展望

今回は最低限の展示を行うと同時にありがたい感想を大変頂戴することが出来たが、設営に関して、そして作品の内容には課題が多く残った。まず設営に関しては当日にプラスで準備した機材が多く体験者がより良い体験をする為の設置方法があったと考えられる。前もってしっかりと予定を立てていきたい。そして作品に関しては花びらを自分の想像通りには動かせなかったこと、花びら自身が質素すぎた点である事だ、TouchDesigner をまだまだ使いこなせておらず、鑑賞者の事を想像することが出来ていなかった、今後はTouchDesigner のスキルを高めると同時に鑑賞者の事を想像しながら作品を制作したい。



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