言葉の多層化による内省の変化と新たな鑑賞体系の検討

2025.04.01


言葉の多層化による内省の変化と新たな鑑賞体系の検討

昨今我々は,生活を取り巻くシステムや娯楽に対して,明確で完結的な答えを求めたり,膨大な情報を,その整合性を疑わずにただ受動的に摂取し続けている.本研究ではファストメディアに対するアンチテーゼとして,「言葉」を中心とした情報の多層的作品を制作することを目的とする.また制作ないし鑑賞に鍛錬を要する作品とすることで,思考にどのような影響を与えているのか分析することを試みた.結果として,表示される情報を言葉に絞ったことで,鑑賞時解釈に時間がかかる作品となることがわかった.また聴覚優位な作品になることがわかった.本研究は未だ成熟していない分野ではあるが,我々がいかに普段の生活の中で情報を受動的に得ているかを明らかにし,言葉という情報への接し方や楽しみ方を捉え直す機会を与える点で重要である.

雑誌名
インタラクション2025論文集
© 2025 情報処理学会
論文ID
3B-31
ページ
1142-1147
発行日
2025年2月23日

Member:
Wakana Yonamine
Scott Allen



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