「さよならCOLOR」この曲は今までたくさんのアーティストにカバーされてきた、不朽の名曲である。現に、この曲がリリースされた当時、私はまだ母のお腹の中にもいなかった(であろう)。
そんな私は、両親の影響で小さい頃から永積崇によるハナレグミ(元SUPER BUTTER DOGのボーカル)の楽曲をよく聴いていた。そのうちの一つが「さよならCOLOR」だ。ハナレグミバージョンがよく知られているこの曲だが、私はSUPER BUTTER DOGのオリジナルも大好きだ。歌詞も、メロディも、バンドも演奏も、全てが本当に本当に素敵すぎる、優しすぎる。
その中でも私が1番魅力を感じるのは永積崇の「声」だ。自分で音楽を探して選んで聴くようになってから、さらに彼の歌い方に惚れ、「さよならCOLOR」という曲自体にも惚れた。全てを包み込んでくれるようなその歌声に、自分の全てを委ねたくなってしまう。新しい一歩を踏み出すことへの恐怖や恥ずかしさ、自分を貫くことへの勇気、周りの目、ぎゅっとまとめて包み込んだ上で、「サヨナラからはじまることがたくさんあるんだよ」、「自分はもうはなさないで」と、言葉とともに永積崇の声が優しく背中を押してくれる。両親や友達からおんなじことを言われたら、「そんなことはわかってるよ!!!」と言いたくなってしまうかもしれないこの言葉。永積崇の声で歌われると、心にすとんと落ちてくる。両親や友達には失礼な話だ。でもそのくらい、私の全てを分かってくれて、包み込んでくれているような気がするのだ。
何かに悩んだ時、迷った時、辛くなってしまった時、自分がわからなくなってしまいそうな時、この曲を聴くと自分の素直な心に帰ってくることができる。素直な心を見失うことは人間誰しもあることで、悩むことだ。気付かぬうちに無くしてしまうこともある。そんな、大切で繊細で忘れがちな心が帰ってきてくれる「さよならCOLOR」を、永積崇の声でゆっくりじっくり味わって欲しい。