昭和レトロな雰囲気が漂う喫茶店。昭和レトロな可愛さは、喫茶店の外観やボリューミーで彩鮮やかなお食事はもちろんだが、そのお食事を輝かせる”食器”なしでは語れない!
今回の喫茶店特集では、カフェ巡りが好きな筆者がとっておきの喫茶店の食器を一部ご紹介。現代では、喫茶店でしか味わうことのできない昭和レトロな食器の魅力にまだ気づいてない方へ。
♡喫茶ドレミ
喫茶ドレミのショーケースは、本物のような艶やかさを持ったサンプルメニューが並び、街ゆく人々を立ち止まらせるほど魅力的なものである。丸くてぷっくりとしたフォルムで艶のある透明な食器は、フロートのミルキーな色やプリンのぷるぷるの質感、あふれるフルーツの瑞々しさを引き立てる。
テーブルの小さな振動が伝わるほど柔らかい、喫茶ドレミのプリン。透明のつるっとしたガラスの器の底にはカラメルソースが溜まり、シルバーのスプーンでプリンをすくうたびにカラメルソースもたんまり味わうことができる。透明な器とシルバーのスプーンの相性といったら、もう抜群。
卵の味わいと甘めのカラメル、柔らかい食感が口の中で広がり、次第に優しさでいっぱいになる。
おまけにメニューも可愛い♡ 淡いアイスブルーと珈琲のようなブラウンで描かれたメニューの表紙。“ドレミ”のフォントやウェイター猫ちゃんのイラストロゴがレトロ可愛くて、メニューの端や角が少し傷んでいるところも、何度も読み返した絵本や教科書のような懐かしさを感じる。
♡神戸にしむら珈琲店
喫茶店のフルーツサンドの食器はシルバーが多いが、私のお気に入りはゴールドだ。
にしむら珈琲店でフルーツサンドを注文すると、持ち手のついた艶のある大きなゴールドのプレートに、少し窮屈そうに見えるほどぎっしりとフルーツが詰まったサンドイッチがのっている。
果汁いっぱいのフルーツが、優しい甘さのふわふわパンと甘さ控えめな固めのクリームにじゅわっと広がる一口。なかでも衝撃だったのはパイナップル。もっとジューシーなパイナップルを想像していたが、梨のようなサクッとした食感とあっさりめな甘さでクリームやパンと驚くほどマッチしていた。
なんといっても、ゴールドプレートに敷かれたレースペーパーがたまらない♡ぎゅうぎゅうに詰められたフルーツサンドのすきまから見えるこのガーリーなレースが、フルーツサンドをより”特別な”フルーツサンドにしている。
日常に溶け込み、暖かく迎えてくれる喫茶店は、休日に非日常を味わうこともできる場所でもある。今どきなおしゃれカフェには一人で入店するのが億劫だが、喫茶店は一人でもゆっくりと満喫することができるのは最大の魅力だ。そんな喫茶店の魅力のかけらの一つ、食器に是非注目してほしい。
♡喫茶ドレミ
〒556-0002
大阪府大阪市浪速区恵美須東1丁目18-8
♡神戸にしむら珈琲店
〒651-0094
兵庫県神戸市中央区琴ノ緒町5-3-5グリーンシャポービル