突然だが、私とK-POPの関係性は微妙だ。妹がK-POPや韓国が大好きで、その影響から私も少し知っている、ぐらい(一緒に踊ったり、一緒に歌番組見たり)。そこまで詳しくはないけど、有名どころのグループや曲なら大体はわかる。

 そんな私は、小中学生の頃、「HKT48」という日本のアイドルグループが好きで、その中でも宮脇咲良ちゃん(以下:さくちゃん)が大好きだった。「HKT48」の一期生としてデビューしてから、「IZ*ONE」という期間限定のグループ活動を経て、昨年、「lesselafim」として三度目のデビューをした。数々の名だたるグループに所属し、アイドルを続けているさくちゃんが、毎回最強のビジュアルと、「コンセプト」に合わせた格好でカムバしてくれることが、楽しみでしかない。小さい頃からずっと見ているさくちゃんが、こんなにも大きくて有名な存在になっているということが、不思議でもあり、とても嬉しい。

 と、ここまで長々と自分語りをしてしまったが、今回のテーマは「コンセプト」。先ほどの自分語りの中にも出てきた「コンセプト」とは一体何なのか。そもそも英語の「concept」とは、概念、構想、という意味なのだが、K-POPのアイドルに使われる「コンセプト」は、世界観のようなものか。その中でも単語として有名なのは「ガールクラッシュ」と呼ばれる、女の子たちがバチバチにカッコよく踊るコンセプト。「女の子が惚れる女の子」のようなイメージだ。他にも「セクシー」「幻想的」「清純」「ワイルド」などたくさんある。

 そんな、さまざまな顔を持つK-POPアイドル。最近はその「コンセプト」がとてもユニークなグループが多い。言わずと知れた「aespa」や「NewJeans」などの個性的なグループも存在するが、今回はまた別のグループを3つ紹介しようと思う。

 DREAMCATCHER

   <2014年結成/7人組>

 このグループは一見、普通のグループにも見えるのだが、実は違う。ロック調の曲を主に歌い、ヘビーなサウンドでファンを沸かせている。バンドサウンドを取り入れた楽曲を歌うアイドルは他に少ないため、注目が集まっているのだ。楽曲のロックさに反して、衣装は真っ白なドレスや、きれいなスカートなどに身を包まれている場面も多いため、その曖昧さやどちらの魅力も感じることのできる彼女たちに魅了されるのだろう。

 私は個人的に、日本でいうアニソンのような雰囲気を感じた。アニメ好きの方や、アニソン好き、ロック好きの方には刺さるのでは……? と思いながら調べていたら、すでに日本のアニメ「キングスレイド」のオープニングを担当していた。そうですよね。

「ガールクラッシュ」とは少し違うが、ロックとアイドルを融合させた他とはどこか違う雰囲気を纏う「dreamcather」からは目が離せない。この記事が公開されるその翌日に、新曲がリリースされるらしく、今からワクワクが止まらない。ぜひ、チェックしてみてください!

 ♡PinkFantasy

  <2018年デビュー/8人組>

 「PinkFantasy」というグループ名は、pink「愛と幸福」、fantasy「幻想」を意味していて、多くの人々に素晴らしい愛と幸せを差し上げるという意味が込められている。このグループを語る上で、避けては通れないのが、「仮面」だ。何のことだと思う人が大半だろうが、とりあえずこの動画を見てほしい。

ありえるか? こんなこと。これがpink fantasyのデビュー曲「iriwa」なのだ。全編通してずっと1人だけうさぎのかぶりものをしている。しかもガッツリ顔が見えないやつ。1番おかしいのは、そんな目立ちすぎている人をセンターに持ってくるわけでもなく、ずっと絶妙な位置で踊らせていることだと思う。どういうことか混乱が止まらない。他の曲を見てみても、うさぎのかぶりものか、もしくは仮面をつけていることが多い。メンバーの入れ替わりは幾度かあったようだが、それでも仮面をつけている人がいることに変わりはない。踊りにくくないのだろうか。首を痛めないだろうか。それだけが心配だ。

 実はこの記事を書いている真っ只中に、「PinkFantazy」完全体での活動を中断するという発表があった。タイムリーな出来事すぎて驚きまくったが、この時代youtubeなどのメディアによって、過去の動画を視聴することもできるから、知ってほしいと思い、紹介することをやめなかった。あまりにも奇抜なコンセプトを持っているため、見れば見るほど沼にハマっていく。

 ♡MAVE: 

  <2023年デビュー/4人組>

 「MAVE: 」は、2023年1月25日にデビューした、メンバーが現実には存在しない“バーチャルアイドル”である。グループ名は、新しい波を作る「make new wave」に由来しており、徹底して作り込まれたSFチックな世界観と、メタバースとアイドル活動を融合させたことで話題になっている。MVを見てもとても綺麗な映像で作られていて、CGであるからこそ、できることの範囲がとても広い。

現実では考えられないような演出がたくさんで、見ていてとてもワクワクする。アイドルがバーチャルであることの良い点は、スキャンダルが起きないことや、毎回100%のパフォーマンスができることらしい。私は個人的に、アイドルのスキャンダルに不快を感じないタイプなので(それが原因で叩かれるのを見るのは辛いけど)、そこにはあまりプラス要素を感じないが世の中的にはそうみたい。人間味がなくておもしろくないと感じてしまう、私のような人も中にはいるだろうが、アイドルに完璧を求めている方には、とても刺さるのだろう。間違いなく、K-POP界に新しい波を起こしただろう。


 アイドルの推し方や、アイドルに求めているものは本当に人それぞれで、だからこそおもしろい。正統派なコンセプトが好きな人もいれば、変わったコンセプトが好きな人もいる。歌って踊ってアイドルしてるところが好きな人もいれば、バラエティをしてるところを見るのが好きな人もいる。それぞれの好きのあり方を隠さずに、壊さずに、自由に推していられることが、幅広いコンセプトを持つ、K-POPアイドルの良いところなのかもしれない。