私のお母さんが作るごはんは美味しい、元気になれる。外食が続いたりして、食べれない期間があると体調悪くなりそうなくらい。食材にも調味料にも調理方法にも気を遣ってくれてるから、こんなにも美味しいんだと思う。家族の誕生日の時とかお母さんの気分がいい時はなおさら豪華になって、美味しい。
こんな風に、美味しいご飯を毎日毎日作ってくれるお母さんに、料理のあれこれについて聞いてみた。
──料理を始めたきっかけってあったん?
「料理を始めたきっかけ!? わからん。わからんけど、1番古い記憶は小学生の時に作ってた「ちびろく」っていう6個入りのインスタントラーメン。学校から帰ってもみんな仕事に行ってて、家には大人が誰もいなかったからお腹減った時は勝手に作って食べてたんやと思う。料理の定義を自炊とするんなら、一人暮らし始めた18か19の時かな。お金そんなになかったし、元々外食をする家庭ではなかったから、作るのが普通、当たり前って感覚で作ってた。野菜炒めとか生姜焼きとかサラダとか、技術がそんなにいらんものやけど。この頃は料理への探究心はそんなになかったかな」
──じゃあ、料理への探究心とか楽しさはなんで感じるようになったん?
「あんたらが生まれて、家族4人分のご飯を作るようになったからかな。前までは多くて2人分やったから野菜炒め一品と米で十分やったけど、4人分ってなるとたくさん作らなあかんから。スーパーが近くにないから買い貯めて、あるもので献立を考えて、そうやってたらレパートリーも増え…っていうのでより楽しくなったんかな。でもやっぱ4人分作れるっていうのが1番の楽しいとこかも。何品か作らんとあかんから、嫌でも作れるようになってきて、創作することが楽しくなってきた。塩とオリーブオイルとかぶをじっくり炒めるだけで美味しくなることを知って、素材の味と調味料の力を実感するやん? そうなってくると味もわかってくるし、またそれがより楽しくなってくるわな」
──なるほどなあ。1日2食はほぼ必ず作ってると思うけど飽きずにずっと作ってくれててすごいなあ。
「1日の中で唯一、クリエイティブな時間やからかなあ。レシピを見ずに作ることが多いから。何もないところから、ある材料で献立考えて、形にして、食べるまでの工程がクリエイティブやな。唯一は言い過ぎかもしれんけど」
──レシピみーひんのや?
「ケースバイケース。しょうが焼きとかやったら見たことない。材料とかは見たり聞いたりするけどな。でも、例えばビーフストロガノフを作りましょうってなったら、そら見ますわな」
──作ったことあんの?
「ないわな」
──じゃあ料理において気をつけてることはある?
「食材選びは、旬のもの、生き生きしてるもの、エネルギーを感じるものを選ぶこと。料理するときは、食材を使い切ることですわな。料理っていうのは美味しい塩を使えば美味しい料理ができるから、塩梅が肝心ですわ、何でも」
私の母は自然食品や雑貨などを扱うよろずやを営んでいる。
「食べるもんで人の体はできてるからね。シェーンハイマーの動的平衡を知って、よりいいもの食べようと思ったねん。まさに食べたものが自分の体に置き換わってるって知って。料理するってことは食べるためで、何を体の中に入れるか、って考えた時には、より自然に近い食べものを取り入れる方がいいんじゃないかと思いますわな。私らの身体は怪我しても勝手に治るみたいに自然に出来てるから、不自然なものは不自然やし」
──動的平衡を知っていいものを食べようと?
「いやまあそれがきっかけではないけど、私の中で料理ってのはそういうんじゃないかっていうのが今の考え。生涯現役、勉強中ですわな! いつまでも勉強して更新していくわな」
──じゃあ最後に、得意料理はありますか?
「きんぴらごぼうかひじきか、、。何~。私得意料理って何かわからへん~。米?米炊くこと?結構長いこと土鍋で炊いてますけろ。(「けろ」っていう語尾は、私たち家族内のしょうもない流行りです) 原発が爆発して、電気を使わず米を炊きたいとおもたんですわ。どんな人にもおすすめできるのは塩麹。これがあれば何とでもなる!」
<学生さんにおすすめ! 炒めるだけの超簡単野菜炒めレシピ>
材料:◎キャベツ
◎豚肉
・その他お好みの具材
◎塩麹
◎ナンプラー
作り方:①油をひいたフライパンで具材を炒める。
②火が通ってきたら塩麹とナンプラーで味付けする。
③完成!
<母の得意料理、??きんぴらごぼうのレシピ(4人分)>
材料:◎ごぼう 4本ぐらい
◎れんこん 1本
◎にんじん 1本
◎鶏肉(ももでもむねでも美味しいわな) 200~300gぐらい
◎粗挽き胡椒
◎ごま
◎ごま油
◎砂糖
◎しょうゆ
◎酒
作り方:①ごぼうはささがき、れんこんは薄切り、鶏肉はひと口サイズ、
にんじんは縦長に切る(この場合は縦長のフォルムが重要、見た目が)。
②フライパンに油をひいてごぼうとれんこんを炒める。
③水分が抜けてきたら鶏肉を投入。
④鶏肉も炒まってきたらコップ半分くらいの水を入れる。
⑤水が沸騰し、なくなってきた頃ににんじんを投入。
⑥ニンジンに火が通ったら、粗挽き胡椒をひき、砂糖と醤油を入れて味付け。
⑦さっと酒をかけて(かけへん時もあるけど)
⑧ごまとごま油をかけて
⑨完成!