2024年1月18日にアルバム『BORN TO BE』でカムバックしたITZY。2023年9月に当面の間の活動休止を発表したリアを除く、メンバー4人でのカムバックとなりました。

 楽曲タイトルの「UNTOUCHABLE」は、「触れてはならない」「手出しできない」といった意味。「私は誰にも触れられない、誰も止められない」と繰り返す歌詞が力強い一曲です。

MVでは、警察や軍隊が持つライオットシールドを持った黒づくめの集団(おそらくロボット)に包囲されたメンバーという図が印象的です。MVの終盤では、ロボットが中央に立つメンバーに向かって突進すると爆発(爆発!?)してしまうという、まさに「UNTOUCHABLE」な展開。
爆散するライオットシールドロボの中心で踊るITZYは、妙なシュールさがあります…(笑)

 メンバー個人のシーンでも、レーザーに狙われたり、真後ろで建物が崩れていっていたり、制御盤が火花を吹いていたりと、様々な危機的状況に置かれているメンバー達。
しかしこのリップシンクや演技のシーン、カメラから目線を外すことがほとんどないんです。
(目線を外すのもメンバーのうち2人が計3回だけ、それも3回とも画面向かって左側に目線を逸らして、これも何か意味がありそうではあります…)
どんな危険も物ともせず、余裕を含んだ表情でこちらから目を離さない姿に、彼女たち自身の強さや自信を感じます。

 K-POPのガールズグループの中では、おそらくITZYのダンスが最も好きな筆者。ITZYメンバーのダンスは、体の動かし方に女性アイドルっぽいかわいらしさがあまり見られず、カッコいい振り付けをカッコいいに100%振り切った見せ方でこなします。力強さと細かい部分で見せるしなやかさが両立した、芯の通った鋭いダンスが魅力です。

ステージ映像を見ると、キリッとした表情ばかりではなく笑顔でパフォーマンスしているものもあってギャップを感じます。ITZYの振り付けは、振りが細かく展開も早い、ガールズグループの中でもトップクラスに難易度が高いのではないでしょうか。

K-POPといえば、繰り返されるキャッチーなポイントダンスの印象が強い方も多いと思いますが、この楽曲の振り付けは、1サビ・2サビ・ラスサビがほぼ全て異なる振り付けで構成されているというパターン。(ここ最近のK-POPでよく見かけるようになった気がするな〜と認識しています)

同じフレーズが繰り返されることで力強さが増す歌詞とは対称に、ダンスは変化をつけることで観る人を飽きさせません。楽曲の中で度々登場するハモリが印象的なパートでは、メロディとハモリを歌う2人がペアになって踊るシンメトリーな振り付けがされています。グループの中で特定の2人だけがガッツリ画面を占めるという振り付け構成は比較的珍しいような気がして、新鮮さを感じました。

今回は4人でのカムバックとなってしまいましたが、メインボーカル不在とは思えないクオリティのパフォーマンスを披露しているITZY。リアが復帰した後、5人でのパフォーマンスがどのような形になるのかも楽しみです。ITZYは今年世界ツアーも予定しており、更なる活躍にも期待できます…!