12月31日、大晦日。皆さんはどんな過ごし方をするのだろうか。テレビがある家ではきっとチャンネル権の争奪戦が起きることだろう。そこで選ばれがちな、国民認知度ナンバーワンといっても過言ではない番組「紅白歌合戦」。主にその年のヒット曲を生み出したアーティストが出場するため、私からすると「紅白=超絶爆売れ歌手」という認識だ。

 今回は、紅白歌合戦に今年出場する私の大注目アーティストを紹介する。その名もキタニタツヤだ。数年前からアニメやドラマのタイアップ曲を手がけ、着々と世間に名を知らしめているシンガーソングライターである。そんな彼がきっと披露するであろう今年のヒット曲「青のすみか」。アニメ『呪術廻戦 懐玉・玉折編』のオープニングに起用され、大きな話題を呼んだ。なんといってもこの曲の魅力は、原作の解像度の高さである。事前情報無しだと少し切なめの青春ソングなのかなと思われるが、『呪術廻戦』の内容を知ってから聴くと、歌詞に使われる言葉のひとつひとつが胸に刺さって、苦しくてたまらなくなる。表現にはいくつもの可能性が秘められており、考察のしがいもある。なぜこんな奥が深い曲が作れるんだ、天才か?

 私はかれこれ5年ほどキタニタツヤを追いかけているので、紅白出演決定の知らせを聞いたときは、驚きと嬉しさで思わずスマートフォンを落としそうになった。なんなら春先に『呪術廻戦』への起用が発表されたときは、バイト先の休憩室で思わず涙を流した。限界オタクである。紅白歌合戦放映まで残り一ヶ月程度だが、もう今からワクワクが止まらない。大晦日、私はテレビの前でちゃんと息ができているだろうか。過去に『ミュージックステーション』に出演した際も「わあ地上波だ…!」と、画面の前にいるだけの私がなぜか緊張して呼吸が浅くなってしまったというのに。もしかすると、咽び泣いてテレビを観るどころではないかもしれない。それほどまでに今年の紅白歌合戦は自分にとって特別な番組となること間違いなしだ。

 普段私は年末の行事に大した思い入れもなく、大晦日までアルバイトをして過ごしているが、今年は必ずテレビの前で待機しようと思う。2023年最後の推し活が紅白歌合戦視聴だなんて、どれだけ幸せなことだろう。