青のすみか

私は2023年にリリースした曲からキタニタツヤの「青のすみか」を選んだ。TVアニメ『呪術廻戦 懐玉・玉折』のOPテーマで「青春時代」というテーマに沿った爽やかな曲調である。この曲の魅力は、音と歌詞の2つだ。
まず、音について説明する。この曲の中で表現されている音として2つ挙げる。1つ目は、曲の始めにボールが転がっているような音が左右に移動しながら聴こえる普段あまりない音だ。そのため、耳に違和感を感じさせつつも最初の部分で聴き手の心をグッと掴む役割を担っているのではないだろうか。2つ目は、0:22から歌の後ろで実は「ウェストミンスターの鐘」いわゆる学校のチャイムが鳴っている。これはテーマである「青春時代」を感じさせ、私たちにも懐かしさを抱かせる音だ。音自体は曲の邪魔をしないよう後ろで鳴るため聴き込まなければ分かりづらい。このように、色んなサウンドエフェクトが曲の中に散りばめられ、それこそが曲の魅力になっている。
次に、歌詞について話していく。歌詞の中では青春を「青」と呼び、「僕」と「きみ」という立ち位置などが上手く描かれている。特に見て欲しいのは、サビの「今でも青が棲んでいる」、「今でも青は澄んでいる」という部分だ。ここでは、大体の発音が同じだが文字に起こすと意味が全く違う。「棲む」というのは動物がそこに生息することを指し、もう1つの「澄む」は濁りがなく透き通った状態を指す。その意味を踏まえると助詞である「が」と「は」は非常に妥当だと言える。また、「声にならない声」という実際にないものを表現し、「青の季節」や「じめつく風の季節」などで情景を描写している。こうした言葉遊びのような部分もまた魅力だと私は思う。
このように、「青のすみか」には数多くのサウンドエフェクトと言葉を上手く駆使した表現という2つの魅力がある。しかし、まだまだ語り尽くせていない部分があるのでぜひ聴きながら曲について考えてみてほしい。
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