ドラゴンボールのアニメ作画
皆さんは、ドラゴンボールZ放映時のアニメオリジナル作品「ドラゴンボールZ たったひとりの最終決戦〜フリーザに挑んだZ戦士 孫悟空の父〜」をご存知だろうか。
ドラゴンボール原作漫画のナメック星編でフリーザがサイヤ人の下級戦士である「バーダック」の存在を覚えていたことや、ついでにドラゴンボールZのアニメでは悟空そっくりなキャラクターが出たことで知った人も多いだろう。
実は、バーダックは原作には元々登場していなかったアニメオリジナルキャラクターである。鳥山明が原作に登場させたきっかけが、先に作られたアニメオリジナル作品だったというわけだ。
そんなバーダックが、「ドラゴンボールZ たったひとりの最終決戦」ではフリーザに殺されてしまう。その続編として作られた作品が『ドラゴンボール エピソード オブ バーダック』だ。今回はその二つの作品の、1990年と2011年のアニメ作画を比べてみようと思う。
まず、ドラゴンボールZとドラゴンボール改は作画の違いについて、二つの作品「たったひとりの最終決戦」はアナログ作画、「エピソードオブバーダック」はデジタル作画に近い。その前提で比べると、前者は線の荒さが目立つがとても柔軟、後者は線画も綺麗に整えられているが固さが目立つと思う。
アニメーションの制作スタジオについて詳しくないが、デジタルに移行する前からずっと作画に参加している作画監督(前者は中鶴勝祥、後者は山室直儀)もいる。しかし、どうしてこのような印象を受けてしまうのだろうか。
独自の意見になってしまうが、アナログ作画では技量が問われる。何十年も働くアニメーターには経験値が積まれている。その分、アニメーションにも経験という名の線の荒さや柔らかさが生まれる。それは鉛筆などの画材を使っているからだと思うが、消しゴムで消す労力がある分、作画ミスを修正しにくい欠点がある。
デジタル作画では、デジタルツールを使いこなす工夫が問われる。そのため(東映アニメーションの)下請けの会社など、作画の経験が少ないまま関わっている場合もあるだろう。しかし、アナログよりもデジタルの方が作業効率が上がり多彩な表現が増えているのも事実だ。
以上のことから、アナログ作画では柔軟な印象、デジタル作画では硬い印象を受けてしまうと考える。どちらかが劣っているというわけではないが、最近のCGも使われるデジタル作画より、昔のアナログ作画の方に憧れを抱いてしまうのは、絵を描く者の端くれとしての宿命だろうか?
ドラゴンボールZ たったひとりの最終決戦〜フリーザに挑んだZ戦士 孫悟空の父〜 – Wikipedia
ドラゴンボール エピソード オブ バーダック – Wikipedia
※「ソリッドステートスカウター」原曲が見つからないのでカバー曲を入れている