優しく透き通る声で全てを包み込む

あなたにとってアニソンといえばどんな曲だろうか。電波ソング、萌えソング、キャラソングと様々ある。無数にアニソンがある中、私が特に推すのは『魔女の旅々』の主題歌「リテラチュア」だ。そして、私の十八番でもある。
「灰色の髪をなびかせて、その美しさと才能の輝きに、太陽さえも思わず目を細めてしまうほどの美女は、誰でしょうか?そう、私です」と、自己肯定感抜群の魔女イレイナのための曲。そんな『魔女の旅々』は2020年に放送された。この曲は現在大活躍中の声優さん、上田麗奈さんが歌っている。透き通った声で全てを許してくれそうに優しく、おっとりとした声で曲全体を包んでくれている。特にサビの透明感は何にも変え難いほどだ。
「リテラチュア」は日本語訳すると、文学・文芸といった意味になる。優等生のイレイナが本を読む文学ではなく、出会いと別れの文学で成長していくテーマとして名付けられた。世界を旅するこの物語にはぴったりのテーマだろう。そして、出会いと別れによって成長する姿を描かれている。初めは一人だった彼女が願った「誰かと会話して、誰かと繋がりたい」という気持ちが伝わってくる。色々な土地を旅しながら人と出会って、そして別れていく過程で成長していくのだ。
『魔女の旅々』の世界でも魔女は特別な存在。歌詞から「期待されていること 見向きさえされないこと」と、普段は自己肯定感抜群の彼女だが、そんな彼女にも魔女というだけでいたって普通の女の子の悩みがあることがわかる。そして2番の「主人公になれていますか?」という部分で、彼女は彼女なりの生き方をしつつ少しずつだが成長している姿がわかるのだ。
私自身も不安になることや挫折することもあるが、人と関わることで自分の中の何かが変化していく。学生生活や部活、仕事など一生懸命やっていた人にとって心に響く歌詞になっているだろう。