おもしろおかしい仮装協奏曲

私の考えるホラー音楽は、少し時期は過ぎてしまったがハロウィン音楽だ。マイナー調でおもしろおかしく不穏な雰囲気が漂っているイメージだと思う。ハロウィン特有のメロディーもなんとなく浮かんでくるのではないだろうか。
今回紹介するのは、スマホゲーム『学園アイドルマスター』(以下:学マス)でハロウィンに合わせてリリースした「仮装協奏曲」だ。この曲を一言で表すと、歌おうと思って歌える曲ではない。試しにカラオケで歌ってみたが、まあ口が回らない。その理由は、作詞作曲を担当した「FAKE TYPE」が悪さをしているのだ。代表曲は「FAKE LAND」「ウタタカララバイ」の二人組ユニット。挙げた曲を聴いてもらえれば分かるが、とにかく早口で音程差が激しい。
歌詞の中によく英語が混ざっているが、まるで日本語のように聞こえるのも特徴だろう。 特に気に入っている部分は「好きに奪い去る 異議マイナス 陰気バイラル 意に介さずイニミニマニモ」という、とにかく語感が良すぎるラップだ。コンボかのように韻を踏んでいき、最高潮になる「イニミニマニモ」がとても気持ち良く、つい口ずさんでしまう。ちなみに「イニミニマニモ」とは英語の言葉遊びで、子供の時によく使った「どれにしようかな、神様のいう通り」のニュアンスに近い。
「仮装協奏曲」は9名のソロバージョンがあるのだが、特におすすめしたいのは倉本千奈バージョン。ゲーム内設定は、アイドルを夢見て試験を受けたが最下位で入学することになった千奈ちゃん。リリースされている曲の中でも随一で難しいこの曲だが、歌詞をはっきり聞き取れてテンポ感、語感も完璧で本当に最下位入学したのが嘘のようだ。一言一言はっきりと発音しているところが愛おしい。学マスで歌唱力がNo.1のキャラとも、天真爛漫な性格を歌に活かして堂々と張り合っている。
学マスはキャラクターごとのイメージを特に大事にしているため、中の人が歌うこの曲が上手すぎて没になった話もあるほどだ。YouTubeで個性が存分に活かされているそれぞれの「仮装協奏曲」が聴けるので、まさに十人十色のこの曲でお気に入りキャラを見つけてほしい。
学園アイドルマスター【公式】
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